桜の木の下で~好きになってはいけない人~
やっぱり生まれた時から、美鈴を見てきただけのことはある。執事の木之本は、すぐに美鈴の異変に気がついた。

「体調は悪くないわ。ただ…ちょっとね…」

確かに体調は悪くなかった。どちらかと言えば、体調は良好だ。

じゃあ、何が原因?


わからない…



「まずは本日あったことを教えてください。良いですね、全部ですよ!」

「わかったわ…でも大事にはしないでちょうだい。約束よ」

「かしこまりました。」



"大事にはしない"
と約束させた上で、美鈴はゆっくりと話始めた。


「私がさっきまで、お兄様との思い出の場所に行ったのは知ってるわよね…あの桜の木のところ」

「存じております、ですがそれがどうご関係があるのですか?」

「誰かがいたのよ、名前の知らない。」

そのあとに美鈴は、

ー考えるだけで気分悪いわー


と付け加えた。

「でも…何故私の名前知ってたのかしら?」

「それは…私にも解りませぬ故…」

「そうよね。」


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