桜の木の下で~好きになってはいけない人~
誰かが
「美鈴様、おはようございます。」
と丁寧に言えば、無視することなく笑顔で

「おはようございます」
と返す。

彼女の日課だ。決して差別などしない、だから周りから人気もある。


「美鈴様」

「何かしら、聖羅さん」

「いえ、新入生への挨拶を考えてくださらないと」

「そうね、もうそんな時期ね」

「はい、美鈴会長なら解りますよね。」

「ええ」

美鈴は、二年の頃から生徒会会長をしている。
彼女を呼び止めた生徒は、水前寺 聖羅(スイゼンジ セイラ)。

副会長を務めている。そして美鈴のよき理解者であり、親友だ。
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