桜の木の下で~好きになってはいけない人~
何故彼女が、副会長をやっているかと言うと、それは物凄く単純な理由からだった。幼稚園から一緒の美鈴を、心配してのことで、そして何より離れたくなかった。

学校で『美鈴様』や『美鈴会長』と呼んでいるのは、尊敬の意も評されている。美鈴は、それを理解していた。

「ところで聖羅さん、貴女今日のご予定は?」

「はい、授業後に定例会議がございます。」

「わかったわ。東宮に伝えてから私は、教室へ行きます。」

「彼は忘れますしね。」

東宮は美鈴の従兄弟にあたる人物で、仁科家には負けるものの、東宮家も
有名な財閥の一つ。

その従兄弟にあたる東宮の名を

東宮 陽季(トウグウ ハルキ)

と言う。


東宮 陽季は、見た目はもちろん、中身もしっかりしている。だが、彼は美鈴と同様忙しく、生徒会の定例会議を忘れることが、たびたびあった。
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