桜の木の下で~好きになってはいけない人~
そしてそろそろ、兄彰人と久しぶりに顔を合わせるときがやって来た。今年は、何をプレゼントとしてくれるのだろうか。

妹の美鈴ですら、彰人の考えてることは、たまに解らなかった。

所謂彰人は、仁科家で唯一

謎に包まれた人物なのだ。



「美鈴ちゃん、入るよ。」

陽季は、執事と違う。だから扉をノックして、一声かけてから、部屋に入る。

そして

今日のような時は、目の前で一度ひざまずく。パーティー参加前は、絶対だ。辺り前かも知れない。

でも、陽季はどっかの国の王子って訳ではない。それでもこの様なことをするのは、こだわりなんかではない。礼儀だと思ってるからだ。
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