桜の木の下で~好きになってはいけない人~
専属執事など美鈴には、まだ早いと考えていた。

だから多少驚いたものの、兄彰人の頃を考えれば納得出来た。

「出てきなさい、新しい執事さん。」

父の声と共に、誰かが入ってくる。そして、一礼をし挨拶をする。

「お初にお目にかかります、旦那様。」


この声をどこかで聞き覚えがあった。けど美鈴は、思い出そうと必死に考えるも、思い出せない。


「私に挨拶ではなく、主である娘に挨拶してやりなさい。」

「はい、かしこまりました。」

こっちへ来る執事をみて、驚きを隠せなかった。



名前も知らない、あの時出会った男性だった。

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