桜の木の下で~好きになってはいけない人~
その執事は、美鈴をみると一瞬驚きの表情をしたが、すぐになにもなかったかのように、冷静になった。

「お初に、いえ、お久しぶりです。美鈴お嬢様。」

今度は口調もしっかりと執事そのものだ。姿形も、あの時のまま。

『お久しぶりですね…。聞くの二回目よ、あなた名前は?』

「失礼しました!私の名前は、坂井 冬樹と申します。」


坂井 冬樹


それが仁科家に来た
新人執事の名前だった。
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