桜の木の下で~好きになってはいけない人~
『なんのご用って、わかってるはずよ。』

「美鈴お嬢様、いったいなんのことでしょうか?」

ここまできても、この執事は言わせるのか。美鈴は、負けてる気がしてきた。

『坂井…。』
そのあとの言葉が、なかなかでてこない。

「ふふ、気になるなら、素直にそう仰ればいいでは有りませんか。まぁ、美鈴お嬢様が聞かない限り私は、お話致しませんので。」

なんなんだこの執事は!
わざとらしく、眼鏡をあげるなんてあり得ない!


『坂井、貴方、何故そんなに意地悪なのよ!』

「別に私は、意地悪ではございません。」

『話してくれないところが、意地悪なのよ!』

「さようでございますか…。」





美鈴が、専属執事坂井 冬樹の秘密を知るのは、まだまだ先になりそうである。
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