妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>


 蒼龍は深いため息をつき、眉間にシワを寄せて遥を睨んだ。

「遅いぞ遥。何をしていた」

「そ、そんなに怒るなよ蒼龍。こっちにも用事っつーもんがあるんだから」

 父親に怒られたような感覚になり、遥はたじろいながら言葉を返した。

「あなた。そう怒らないの。喚んでもらえなくて拗ねてるのよ、この人」

「貴人!」

 蒼龍が拗ねていることを、まったくわからなかった遥。
 そういえば最近、朱雀や六合や白虎くらいしか喚んでないなと思い、申し訳なく思ってしまった。

「ごめんよ蒼龍。今度はちゃんと喚ぶから」

「喚ぶな!」

 照れ隠しなのか、はたは怒っているのか、遥はどっちかわからなかった。

「再会の挨拶はいい。さっさと座って、話をせんか」

 蒼龍に言われ、遥達は席に座った。

 
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