妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>


 六合がお茶を出したあと、遥は事の説明を始めた。

 西劉山のミスによる朱眼狼の復活。

 サポーターとしてやって来た龍二。

 妖孤の襲来。

 そして…。

「そして、妖孤一族の長である維鳴が、共に朱眼狼を滅っするという提案を出してきた」

 ざわつく神獣達。

「何をたわけたことを!」

 蒼龍は拳でテーブルを叩きながら激怒した。

 蒼龍は絶対怒るだろうなと予想していた遥だったが、心を落ち着かせて皆の言い分を待った。

「何か裏があるのかもしれませんね?」

 六合は手を唇に当てながら腕を組み、朱雀はそれに答える。

「あの頭のいい妖狐だもの、なんかあるわね」

「そうね。後で首根っこ引き抜かれそうですわね」

 貴人も朱雀の言葉に頷いた。

「お前はどう考えているんだ?」

 蒼龍は遥に怒声を浴びせるように言うと、遥は意外な返事を返した。

「俺は、その裏に乗ってみようかと思ってる」

『なっ?!』

 全員が総立ちする。

「何をバカなことを! 正気か!」

 
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