妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>


 蒼龍の言葉に全員が頷いた。

「遥さん、どういった考えをお持ちなの?」

「そうじゃぞ! 罠に自らはまりに行くウサギ同然じゃ!」

 貴人と玄武が言うと、遥は皆に座るよう言った。

「皆の言い分もわかるよ。でもな、あの清明がお前達を使ってもなかなか滅っせられず、封印しただけなんだぞ」

 もっともな意見を言われ、言葉がでなかった。

 自分達も力の限りやったが、清明のあの状態を思い返せば胸が痛む。

 なにせよ、神獣の力の源は術者なのだから。

「俺の力は、清明にくらべたら赤子同然。お前達の力全て引き出すことは難しいんだ」

 今の遥の能力では、神獣達の力の半分すら使っていない状況。
 まだまだ未熟な遥には荷が重すぎたのかと思うほどだが、神獣達は信じることしかできない。

 そんな緊張感ある空気を壊すように、白虎がオレンジジュースを飲みながら笑顔で提案してきた。

「なーなー! 遥、残りのみんなを誘いにいかねーの? みんないたら楽しいし、心強いよ~」

 白虎の言葉に、遥は少し唸る。

「残り四匹の神獣達か…」

「白虎の言葉も一理ある。楽しいはさておき。遥、残りの奴らを味方につけろ。役に立つこともあろう」

 
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