妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>
変に思った龍二が部屋に入ると、布団にくるまった遥がベッドにいた。
「やっぱ俺がそばで寝てねえと起きれないんじゃねえかよ?」
布団をめくると、酒の匂いが鼻をついた。
「酒くせっ?! お前酒飲んだのかよ?」
「あ…ん。でかい声出すな…。頭いてえ…」
弱弱しい声に、龍二は心配になった。
「酒なんか飲んでねえのに、う~…。水くれ…」
龍二は言われるがまま水を取りに行き、遥を起こしてやった。
龍二に体を支えられながら水を飲むと、一息の息を吐いた。
「さんきゅ。助かった」
小さく笑顔を見せると、龍二は少し顔を染めた。
「そ、それくらいなら、俺だってできるさ。でも何で二日酔いになってんだ?」
龍二の問いに、遥は首を傾げながらハテナマークを浮かべた。
「朱雀ねーさんとこ行ったわけでもねえし、ずっと寝てたっつの…」
ぼんやりとした目で見上げられ、龍二はまた頬を染めてそっぽ向いた。
「ど、どーすんだよ学校」
「とりあえず行くさ。着替えるからどいてくれ」
ヨタヨタと歩く遥を、ほんとに大丈夫かという目で見つめながら部屋から出ていった。