妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>

 数人の新一年がクラス表にたむろっていて、緋音は遥が来るのを待っていた。

「おーい! 緋音~!」

「遥遅い!」

「悪い悪い。チャリ置き場混んでたんだよ。で、クラスどこだ?」

 謝りながらクラス表を見るが、たむろいすぎてて見えない。

「C組よ、あたしも遥も」

 ウインクしながら言うと、遥は笑顔になった。

「また同じだな」

「うん! 早く行こ!」

 遥の腕を掴み、校舎の中へ。


 教室に入ると、同中の仲間が数人いた。
 それぞれの友達の所へと行き、話し出す。

「ホント仲いいな。お前と御子柴」

 肘でちょいちょいとからかわれ、遥はイスに座る。

「ンなことねぇよ。相田や本田は?」

「あいつらはA組。つかよ、A組美人揃いなんだってよ! くは~っ! うらやまし~っ!」

 じゃあC組の女子は美人ではないというのかと言わんばかりの、痛いくらいの視線がささる。
 空気の読めない奴はこれだからと思う、遥達だった。


 校内アナウンスが響き、一年生達は体育館へと向かった。
 ざわざわと渡り廊下を歩いていると、ふと目に入る、体育館脇にある異質な祠。

「なんだアレ?」

「あぁ。何か昔はここ稲荷神奉ってたって聞いたことあるぜ。どんくらい昔って聞かれても知らねぇけど、今じゃ邪魔なだけの祠らしいぞ」

 ふぅんと頷きながら返事を返す。

(だから校庭入ったとき、何か変な感じがしたのか…)

 
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