★時の架け橋★ ー誠の背中に恋をした。
美鈴の横に然り気無く座り、張り付けたような笑顔で美鈴に向き直る





眠い…なんて単純な事を考えている美鈴には横に座った人の事なんて興味無く、美鈴は未だに前を向き続けてる。





そんな様子を気付いているのか、気付いていないのか男が口を開いた。



「前川邸の女中をしてる美鈴ちゃんだよね!?噂には聞いていたけど想像以上に美しい…ぃや…美しいなんてもんじゃない…まるで天から舞い降りた天女のようだよ」



その長ったらしい文章を浮かれながらいうその男の存在をやっと気付いた美鈴…


その途端、思う。



……………………………………………………………………誰?



間が空きすぎという事は放っておいて本当に見た事がない人だった。



前川邸の女中だよね?と言っているという事は多分芹沢一派だろう…




芹沢一派という事であまり関わりたくない上に見るからに鬱陶しそうな奴だ。





美鈴は一瞬の判断で軽く会釈して立ち去ろうと誓った。
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