★時の架け橋★ ー誠の背中に恋をした。
紅い……
赤い…
……真っ赤な花が散りばめられている。
綺麗な赤だ…………でも、見るたびに胸がざわついて仕方がない…
……………
本当に、………………花?
「ひぃっ!!」
違う…
……これはそんな美しいモノなんかじゃない……
亮の………私が愛していた人の、血だ。
血が綺麗な花と化して、散りばめられているその先には………………
「おにぃ……ちゃん…」
不気味な笑みを浮かべている、兄だった。
「美鈴は俺だけを信じればいいんだ…………愛してるよ……美鈴。」
何故お兄ちゃんは私の大事な人を奪ってしまうの…?
あんなに優しかったのに…
苦しい………
もう私から何も奪わないで…
「そんなに苦しいんだったら………死んだら美鈴」
いつの間にか私の首を掴んでいる手……
美鈴「お母さん………苦しっ!!」
ヤメテ………
やめてよお母さん…私を殺さないで…
『み…ずさ…』
遠くから、声が聞こえる…
『美鈴……』
亮の声…?
『美鈴さん……』
違う…この声は………
「……………沖田さん…?」
総司の名前を呼ぶと同時に、美鈴が目を開けた。
夢、……だったんだ…。