★時の架け橋★ ー誠の背中に恋をした。
うわぁ…綺麗…。
小物屋についた私達…
多分美鈴は、そこにいる数多くの女子より圧倒的に小物に感動しているだろう。
梅の花、桜の花…色々な花がついた簪。
ちりめんの根付け。
色とりどりの髪結い紐。
いい匂いのする匂い袋。
様々な小物がずらりと並んでいる姿は、美鈴にとって凄く魅力的だった。
そんな感動している美鈴は気付かない様だが、店内はざわざわと騒がしくなっていた。
艶やかな漆黒の髪。
美しい顔立ち。
どこか商人の娘などではない雰囲気を醸し出している可憐な美鈴。
美鈴一人だったとしてもきっと注目の的になっているだろう。
だがその横には左之がいる。
この時代では珍しい長身で整った顔立ち。
髪はしっかり結い上げておらず、赤茶のような髪を後ろに縛っている。
とても大人な雰囲気を持った色男が横にいるのだ。