★時の架け橋★ ー誠の背中に恋をした。







誰も好いた女子に恨まれるなんて望んでもねぇよ。




あの哀しみ、憎しみで煮えたぎった目で俺を見たりすんのだろうか、






考えれば考える程そういう考えが浮かぶ。






大事な人を大事な人に奪われた過去を持つ美鈴。





そんな美鈴に前に向いて欲しくて…





守りたい。





そう思った。





確かにそう思ったはずなのに、





もし……俺を大事に思ってくれているなら







俺が新見を殺るというのは、






美鈴を苦しめた美鈴の兄と同じ事をしようとしているのだろうか。






守りたいって思っときながらそれはねぇよな…





だけど、






俺は今、それをすんのかしねぇのか決めなきゃいけねぇ。






好いた女子を悲しませたくねぇ…




勿論…そう思う。





だけど………美鈴、





すまねぇ…




お前に恨まれても…誰になんと言われようと、




俺は壬生浪士組の副長として、





近藤さんを押し上げる為……





自分の考えなんかいらねぇんだよ。





俺は……




なんとしてでも近藤さんの為に鬼になる。




まだ迷いはある。




だが俺は決めた。




壬生浪士組副長土方歳三として、





芹沢一派を潰す。
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