★時の架け橋★ ー誠の背中に恋をした。
いつも通りになった。
別に無理をしているわけでは無い。
だけど、新見さんの事を忘れた訳じゃない。
一時も忘れた事などない。
ふと恋しくなる事だって何回もある。
永倉「みっすずぅ!!ちょっとそこまで行ってくるぜっ!!」
ドタドタと盛大な音を出しながら、廊下を走る永倉と平助。
美鈴「そこまで…?」
“ちょっとそこまで“それが何処を指すものなのかを考える。
そんな美鈴に、永倉の後ろを走っていた平助が笑う。
平助「あれだよっ!!島原だから」
美鈴「島原ですかっ…行ってらっしゃいっ!!」
何でこんなに走ってるんだろうと思ったら、後ろから肝が冷えるような恐ろしい鬼の形相の土方さんが、音もたてずに驚くべき速さで走ってくる。
な…なるほど。
追いかけられている二人と鬼は放っておいて、美鈴は“島原“という言葉に思いを抱く。
“島原“、新見さんと共に行き、楽しい思い出がある場所。
島原と聞くと思い出す。
デートと聞くと思い出す。
次は本当のでぇーとをしよう。
その言葉を思い出す。
結局叶える前に新見さんは居なくなった。
……………新見さんを思い浮かべると思い出す。
ーーー叶えられなかったいつかの約束を。