★時の架け橋★ ー誠の背中に恋をした。




会津藩より、八月十八日の政変の功績が認められ″新撰組″という名を頂いた。






そう近藤が威圧的に言った。だが、近藤の声は威圧も含めながら喜んでいる様に聞こえる。






一気に皆は驚き、部屋一帯は歓声に包まれた。





芹沢「ほぅ…新撰組か」





平間「芹沢局長。良い名です」





野口「格好いいっすねっ!!」





先程まで自分達だけで騒いで楽しんでいた芹沢一派の人達も、口々に喜びの言葉を言う。






皆の喜びがおさまるまで、暫く土方などの幹部たちは静かに待つ。







だが、やっぱり嬉しさを隠しきれずに口角を上げている。






皆の興奮が少しずつおさまってきた頃、土方は近藤に皆に見える様に合図をする。






それに答える様に、嬉しそうに首を縦に振って周りを見渡す。






近藤「今日、祝いの宴会を行うっ!!破目をはずさない程度に楽しむ様に」






その言葉を最後に、朝の集まりはそこで解散した。





芹沢達も上機嫌で、夜まで待ちきれないのか一足先に花街に出掛けた。





今までの朝餉の事を聞いて皆は驚き、嬉しく思っただろう。名を貰うという事は自分達を認めてくれたという事、隊士達は足を弾ませながら隊務へ向かう。




広間に居座ったままの土方は、黙って1つの方向を見つめた。






人が少なくなった広間で一人、食べ終わった膳を黙々と片付ける忙しそうな美鈴の姿を。
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