君と二人で
運命の中で
主人公。
・はる
・かずま

「あなたは運命を信じますか?」

信じていない。この世にあるのは、「運命」ではなく
「偶然」。隣の奴が将来恋人になるなんてあり得ない。

中二の春。3組の教室。
「えー、このクラスに居合わせたのも何かの運命。
 みんな、助け合いましょう。」
くさいせりふ。また今年も去年と同じ春。
少し違うのが、クラスのメンバー。
教室からの風景。掲示物。うるさいおばちゃん教師。
それぐらい。
(あー彼氏欲しいな。)
「はる放課後空いてる?」
「ん?うん。」


    *

「あなたは運命を信じますか?」

信じている。ここで出会ったのも何かの縁。
一期一会。もしかしたら今横にいる人が
将来のお嫁さんになるかのしれない。

中二の春。3組の教室。
(よーし、絶対恋をする。中二で彼女なしってやばいもん)
そんなことを思っているとHRは以外と速く終わった。
「かずまーいくぞ」
「おー。」
放課後。田舎の畦道を通りながら思う。
いい女子いたかな?隣の奴、やけにちらちら見てきたな。
でも、俺より背でかいし。
ひょっとして俺のことスキなのかな?たしか、名前は・・・「はる」
    *

放課後。商店街を友達と歩きながら思う。
いい男いないな。隣のちび、こっち見過ぎだろ。
自分より背小さい奴あり得ない。
ひょっとしてあたしのことスキなのかな?
たしか、あいつの名前は・・・
「かずま」

    *

次の日。朝。遅刻してきた。8時20分。
チャイムは鳴り終わり、教室のみんなは自習モードに
はいっている中、俺は下駄箱を走る抜け、職員室の前を
足音を立てずに、走っていった。
学欄が急ぐ脚の邪魔をする。3階までの道のりがとても
長く感じられる。
3組へ行くまでには、1組、2組を通過しなくては行けない。
それが、恥ずかしい。
やっとの思いで、たどり着いた教室には、
ばばぁが、もう来ていた。
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