君と二人で
朝。いつもにぎやかなクラスでさえも、今日は
しーんと静まりかえった。誰もが、小さな声でしゃべり、
どんなにいいニュースも
今日ばかりは、わるいニュースに聞こえた。
かずまもそれなりにもてていて、
かずまの死を惜しむ、女子が山ほどいた。

泣き声がたくさん聞こえ、あめのせいか
くらく聞こえる。

ふと、隣を見ても笑った顔や
怒った顔は、もう無い。

前にいる、はやとの背中が
いつもより、しぼんでいるように思えた。
今日は、いつもより遙かにくらい。
かずまがしんだから。しかも目の前で。
車にばーんと。思い出したっだけでも、心が痛く、
心臓が苦しくなる。
はる・・・。俺、かずまの分まではるを大切にしたい。

            *

私の席の横には、もう笑ってくれる人はいない。
教科書忘れるばかも。コレが「運命。」
はやと・・・。どうしたらいいの?

            *

~放課後~
一緒に帰る。でも、あの横断歩道のある
あぜ道は、通りたくない。
思い出してしまう。
「友の死」が・・・。
心に空いた大きな穴は今は、埋められない。
きっと埋まるには、たくさんの時間や
倍の幸福がいるのだろう。
でも、それでも、俺はきっと後悔し続ける。
ずっと。お前がこんな目にあっているのに、
俺だけこんないい思いしてもいいのかな?
(なぁ、かずま。)
かずまのお墓の前。
はやととふたり。
箱に入ったまま、くらい土の中に
かずまはいる。

かずま。
安らかにねむってね。

           *

かずま・・・。
さよなら。
おれは、お前の分まではるを
守りたい。
まだ、おれも中坊だから、こんな事言っても
信じられないけど・・・。


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