君と二人で
    *

朝。7時30分。
いつもと同じ時間。友達と騒いでいられる、
数少ない時間。
勉強よりも騒いでる方が何千倍も楽しい。
こうやって騒いでいるのも今のうちなら、
今を精一杯楽しみたい。
だが、宿題が家で済まなかった人たちには
とても迷惑な話だ。
どのクラスからも聞こえる、
女子の笑い声。男子の駆ける音。騒音。
コレが毎日なら慣れるのだが、係りの仕事などで
早く来た人たちはとてもビックリする。
何たって、去年窓ガラスが一番割れたクラス、
トップ3がこの学年だから。
たしか・・・・15枚割っていた。
だが、そのクラスも自習5分まえには確実に
席に着いている。
そこが不思議。
8時10分、自習が始まった。
しかし、一人来ていない奴がイタ。
「かずま」
あいつは、ばばぁが来た瞬間、
教室に入って来た。あいつが気になってしょうがない。
よく目が合う。
それから消しゴム落としすぎ。
ぽとぽと。
うるさくて集中できないよ。
むかつく。
前髪ぱっつんにしてきて。
バカみたい。なアホ面させてこっちみてくる。
あんま見るな。
おかしくて笑っちゃうだろ?
「ぷっふ」
声だしちゃった。
もう我慢できない。
「むりだよ」
           *

あいつが気になってしょうがない。
よく目が合う。
顔に何かついてるのかな?
くそあいつ笑ってきた。
ホントむかつく野郎だな。
こんな俺をなぐさめてくれる
優しい彼女欲しい。
「むりだよ」

なに?あいつ?
まるで俺の心読まれてるみたいじゃん。
怖っ!
はぁ~朝からテンションさがるわぁ~

何だか「むりだよ」って
言った後からかずまおどけてるな。
変な奴。
そのくせ
結局、ばばぁに怒られてやンの。
「ばーか。」


           *
あいつには俺の心が読めれている。
気を付けなければ。
うむ。
変な能力を持った奴だ。
そのくせほけーってして。
ばかだな


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