君と二人で
渡してたまるものか。
少し格好いいからってなめんじゃねぇ。
背だって。お前に負けても悔しくないんだからな。
畜生。見てろ。怒りがこみ上げてくる。
自分でもなぜ向きになるか分からないけど。
やっぱりスキなんだ。はるのことが。
考えて、考えてしまうんだ。

            *

~放課後~
「あの・・・。呼び出してゴメン。」
「あ、べつにいいよ。」
「そのさ・・・。好きな人っているの?」
「え?いや。特には・・・。」
「そう、俺なんかどう思う?」
「え?いい人だと思う・・・。」
「ありがとう。」

チャイムが鳴り、2人とも黙り込む。

「あのさぁ、俺・・・。」

だれかが引き戸に手をかけた。

ガラガラ

「かずま!」

            *

俺はとんでもない物を見てしまった。
何で?何で、はると山田がいっしょにいるんだ?
しかも、さっきまではなしてた。
どうして?
俺、邪魔物みてぇ。

「おじゃましてすみませんねぇ。」

            *


「あ、私帰る!」

山田君に電話番号をメモした紙を強引にわたし、
その場を去った。

山田君に悪いことしたな・・・。

とっさに教室を出た為、鞄を忘れてきた。
教室に入るのも・・・。

少し教室から離れた所から見つめて、様子をうかがった。

            *

「なんだよ。かずま。」
「おまえこそなんだよ!教室でいちゃつきやがって。」
「いちゃついてねーよ。」
「じゃあ何してたんだよ。」
「それは・・・。」
「お前、はるのこと・・・。」
「そうだよ。スキだ。」
「そうかよ。」

(沈黙。)

「知ってるか?はるの好きな人?」
「いないよ。」
「いるんだなぁ~。それが。」
「!?」
「俺!」
「うそ・・・だろ?」

            *

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