~文明開花 恋い焦がれ~ 境 鷹麻 編
序 一人前ヲ目指シテ
ほんと、どうしよう・・・・
このまま働かなかったら食べ物も食べれないし、住む所もない。
「・・・・・はぁ」
「お困りのようですね~お嬢さん」
「ええ、かなり」
「じゃあ、紫波さん。あなたのところはどうですか?」
「ああ、俺か?ちと難しいぞ」
「ほほぉ~それはまたなんで?」
紫波さんは顎をさすりながら、考え込むように言う。
「うむ。最近、赤字なんでな、部屋も俺の部屋しかねぇんだ・・・わりぃな嬢ちゃん…」
あれ?それじゃあ、泊まらせてもらった部屋は
紫波さんのだったの?
も…申し訳無さすぎる。
「いえいえ!!!とんでもございません!助けていただいた上にお蕎麦までご馳走になっちゃって…
働くところは頑張って探しますんで、気にしないでください!」
いつか、絶対恩返ししなくちゃ!
「ねぇ、1つさ提案なんだけどさ。」
「どうしたんですか?」
「仕事探してるんなら、ないこともないよ?」
「マジですか!!!」
ガタンッと私は勢いよく椅子から立ち上がった。
「あるんですか!?仕事!!」
やった!!これで食える!!住める!
「べ、別に君に協力しようとなんて思ってないし、
でも、このまま放置したら
紫波さんが心配するかもだしさ?本当に、君に協力しようとなんて思ってなんかないんだよ?
そこは、絶対に勘違いしないでよ?」
「・・・・・・・・・・。」
あー、はい。この人ようするに、ツンの人か~
いるんだな~明治にも…
「・・・・なんだよ。なんでそんな優しげな眼差しで僕を見るんだよ」
絶対友達少ないんだろうな~
「いえ、なんでも?大丈夫です。私は理解がありますから!!安心してください!!」
「はあ?なんで僕が君になんかに理解されなきゃなんだよ!」
「ふふふ。」
「ふん!・・・・で、その仕事だけど!」
そっぽを向いた鷹麻さんは横目に私を見ながら続けた。
かわいい・・・・。
鷹麻さんは私よりはたぶん年上だと思うけど・・・あ、ちなみに私は17歳の高校生。
・・・・と。そんなことより本題本題。
「僕の家は霊屋で使う素材とかの仕入れや売買をしてるんだけどさ、
今は人手が足りなくてちょっとつめてるんだ。だから、僕の所で良ければ働かせて
あげるけど?それと、食事と住まいは保障してあげる。」
なんと!仕事が早々とみつかりました・・・。
「いいんですか!?そんな最高の条件付きで・・・・」
「だから、いいって言ってるじゃんか!何度も言わせないでよ」
鷹麻さんは怒鳴ったけれど、それは照れ隠しにも見えた。
「じゃあ、じゃあ、是非!!
働かせて下さい!」
私は精魂こめて頭を下げ、そして、勢いよく
机に頭をぶつけた…
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