夢が咲く場所
ドクドクドク、、
心臓の鼓動がいつもより大きい。
私と友哉は演技に集中している。
雨の中、私を迎えに来てくれる彼氏に甘えキスするという、
なんともイマイチな素人的な内容だが、
私はキスシーンに期待している。
少しずつ、キスシーンに近づいてくる。
..............
そしてついに、
「奈夢、本当にするの?」
「うん。」
そういうと私は目をつむった。
数秒した瞬間、私の唇に温かい、
まるで私を包み込んでくれるかのように、
友哉の唇と交わし合った。
私にとっては、初めてのキス。ファーストキスがまさか友哉になるとは。
でも、何故か嬉しい気持ちが高ぶり、
「もう一回、してほしい。」
それを言って私は急激に恥ずかしくなり、友哉を押した。
でも友哉はその突き放した腕を掴み、そのまま引っ張りまたキスをした。
今度は舌が絡むディープキスだった。
何もかも初めての私は、自然と涙が溢れた。
嬉しかったのか。怖かったのか。
でも間違いないことは、とても幸せだった。