御劔 光の風2
ジンロが視線を周りに向けて間を置いてからカルサは呟いた。
いつもどおりの彼で。
「部屋に戻る。」
そう言って歩き始めた。
すれ違いざまにジンロの了承の声が耳に入ってくる。
何も言わずに立ち去るかと思ったが、意外にもカルサは数歩進み立ち止まった。
「ありがとう…ジンロ。」
背中を向けたままの言葉。
顔が少し後ろを向こうとしついたが、表情は映らなかった。
そして再び歩き始め去り行くカルサをジンロは姿が見えなくなるまで見送る。
その笑顔は間違いなくカルサが生んだものだった。
しかしカルサはジンロの顔を見ることなく歩き続ける。
夜も更け、静まり返った宮殿内を歩いて部屋に戻ろうと歩き続けた。
扉の開閉音が部屋の中で待っていたラファルに帰りを報せる。
しかし物も言わず何の反応も見せないカルサは尻尾を振りながら立ち上がったラファルを素通りしてベッドの端に腰かけた。
そのまま横になり、剣の鞘を握りしめたまま目を閉じる。
いつもどおりの彼で。
「部屋に戻る。」
そう言って歩き始めた。
すれ違いざまにジンロの了承の声が耳に入ってくる。
何も言わずに立ち去るかと思ったが、意外にもカルサは数歩進み立ち止まった。
「ありがとう…ジンロ。」
背中を向けたままの言葉。
顔が少し後ろを向こうとしついたが、表情は映らなかった。
そして再び歩き始め去り行くカルサをジンロは姿が見えなくなるまで見送る。
その笑顔は間違いなくカルサが生んだものだった。
しかしカルサはジンロの顔を見ることなく歩き続ける。
夜も更け、静まり返った宮殿内を歩いて部屋に戻ろうと歩き続けた。
扉の開閉音が部屋の中で待っていたラファルに帰りを報せる。
しかし物も言わず何の反応も見せないカルサは尻尾を振りながら立ち上がったラファルを素通りしてベッドの端に腰かけた。
そのまま横になり、剣の鞘を握りしめたまま目を閉じる。