御劔 光の風2
カルサの目はまっすぐリュナの目を捕えている。

少しの沈黙、それでもリュナはカルサの次の言葉を待っていた。

何も言わず、彼の言葉を聞かなければ。

「太古からの因縁、これを終わらせる為に俺はここにいる。以前魔物が入り込んだのは手ほどきをした者は彼の手の内の者だろう…狙いはおそらく俺だ。」

カルサが目を伏せて、そしてまた沈黙が生まれる。

こんなに言葉と言葉の間に時間をおくのは珍しかった。

閉じられたままの瞳は開く気配がない、リュナは疑問を自分の中に留めて次の言葉を待った。

「千羅とはそういう繋がりで英琳も同じだ。彼らは強い意味合いを持って俺を皇子と呼ぶ…ナルの部屋でも言っていただろ?」

カルサの問いかけにあの時のことが思い出された。

確かにあの時気になった言葉がある。

「皇子としての貴方を知る者。」

王子ではなかった。

その呼び方をカルサがいつされていたのか、またその呼び方がカルサに当てはまっているのかが分からない。

話を聞けば聞くほどリュナの中の疑問符が確実に増えていった。

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