御劔 光の風2
「分からない事だらけ、という顔だな。」

カルサは微笑み、また遠い目をした。

また訪れた静かな時間に鼓動が早くなる、カルサの緊張が伝わってくるようだ。

無理をさせてしまったのだろうか。

リュナは少し後悔した。

淡々と話しているように見えて、丁寧に言葉を選んでいる。

いや、丁寧というよりも慎重にと言った方が正しい。

「リュナ、君に言わなければいけない事がある。」

低い、掠れそうな声で囁くように放たれた言葉にリュナは頷いた。

しかしカルサの開いた口はなかなか言葉を作れない。

話し伝え、この手の内に抱え込むことを彼女は傲慢だと思うだろうか、それでも想いは止められない。

まだ事実の半分も話していないが急いてしまう。

順番が違うことなんて百も承知だった。

しかし頭に浮かぶ言葉は一つだけ。

まだ言葉にしてはいけない、カルサは自分を戒めた。

まだ話さなければいけない事がある。

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