御劔 光の風2
彼女の意志を聞く為にもそれを言わなければ。

カルサが葛藤している中、長い沈黙にリュナは勇気を出して終止符をうつことにした。

何かを悩んでいる、それはきっと自分に関することだとリュナは勘づいたのだ。

しかしこっちはもう覚悟ができている、ならば少しでも彼が話しやすいようにしよう。

リュナは足を踏み出して静かにカルサの前で進み、声をかけた。

「カルサのその使命は…五大皇力であることと関係があるの?」

戻りつつあった言葉遣いをなんとか抑えて絞り出す。

何となくカルサを見下ろすのは躊躇われて膝を付き、ベッドに腰かけているカルサと目の高さを合わせた。

「いや、間違いではないが…それが全てじゃない。」

そう、全てでない原因を話さなくてはいけない。それを言う為に時間がかかっているのだ。

ここまで来ての歯切れの悪さに自分が情けなくなる。

言わなければ。

同じ言葉を頭の中で何回も繰り返しているだけだ。

「カルサが御劔に詳しいのは、その使命を請け負ったからなの?」

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