御劔 光の風2
一瞬、カルサの身体が反応したのをリュナは感じた。

彼の言葉がつまっていた原因の一つがここにある。

リュナがくれた、今しか伝える機会はない。

長い息を吐きカルサはゆっくりと口を開けた。

「…違う。もっと深いところに理由はある。」

カルサは顔を上げリュナの目を捕らえた。

もう後戻りはできない。

「何故…俺が御劔に詳しいのかも、俺にそんな使命があるのかも、答えが分かれば簡単な事だ。」

リュナの顔に緊張が走る。

カルサに向けられた瞳は揺れながらもそこから動かない。

「太古の国の名はオフカルス。俺が何故伝えられていない国の名を知っているか。それは…。」

今こそ言わなければ、カルサは覚悟を決めた。

長いようで短い瞬き、そこから関係は変わる。

「俺が太古の国オフカルスの皇子だからだ。」

周りの音が消え、リュナの瞳が大きくなった。

いつものような強さはないが、リュナを見つめる真剣な眼差しに動けなくなる。

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