御劔 光の風2
上からの物言いしか出来なかった。

しかし彼女は安心したように顔をほころばせる。

「はい。」

嬉しそうに笑う彼女にカルサは居たたまれなくなった。

カルサの両腕が彼女を抱きしめたそうに動く、しかしそれを押し止めた。

「リュナ、これからは国とは関係の無い戦いが始まる。きっと壮絶なものになるだろう。」

未来を口にしながらもカルサの頭の中は過去に捕らわれていた。

全ての始まりの太古の因縁、あの事件よりもさらに酷い結末になるだろう。

何人もの血にまみれた姿が浮かび、それをまた繰り返すのかと悲壮の表情が出てしまった。

目の前にいるリュナも、そうなる可能性が高い。

「先に言っておく。」

ここからは命を懸けた、生き残りの戦いだ。

「俺の命は残り少ない。」

何の強調をする訳でもなく当たり前のように告げられた未来。

今日何度目だろうか、またリュナの世界から音が消えてしまった。

聞き間違えではない、聞き返せない。

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