御劔 光の風2
ゆっくりとした時間。もっと触れていたくてカルサはラファルごとリュナを抱きしめた。

楽しそうな悲鳴が響く。

カルサは何も言わず抱きしめていた。

ラファルとじゃれあっていてもカルサの声がしない。

リュナは不思議そうに問いかけた。

「カルサ?」

それでもカルサは頷き黙ったままだった。

思わずリュナとラファルは目を合わせる。

「嬉しいものだな。」

消えそうな声で囁いた。

噛みしめるように出した言葉はきっとカルサの本音。

聞き間違いだろうか。いや、そんな筈はない。

そうであってほしくない。

「リュナ、ラファル。幸せだ。」

再確認するように出した言葉はカルサの気持ちを確定した。

リュナは思わず涙ぐむ。

何故だろう、嬉しい時は笑えばいいのに彼女は泣くことしかできなかった。

止まらなかった。

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