御劔 光の風2
だって国中が王妃と後継ぎを心待ちにしている。
以前は目の前の書類のように山盛りの見合い写真が来ていたが、今は専ら風神圧しの声が多い。
相変わらず嫌そうな顔をしているが、まんざらでもなくなってきているのではないかとナータックは読んでいた。
「言っただろう、妃はめとらないと。」
しかし返ってくる言葉は冷たい。
いい加減にしつこいと言葉を変えて怒られているようだ。
ナータックはカルサの様子を眺めていた。
この人はいずれこの国からいなくなる。
いつかカルサの別の側近である千羅から聞いた話が頭を過った。
この絶対的な国の柱を失ったらどうなってしまうのだろう。
「サルスパペルト殿下に期待、ですかね。」
なんとなく空気を変えたくて口にしてみた。
「そうしてくれ。」
どうやら意外な言葉だったようでカルサが楽しそうに笑った。
内心ざまあみろとでも思っているのだろうな、カルサが笑顔で仕事をするのは珍しいことだ。
以前は目の前の書類のように山盛りの見合い写真が来ていたが、今は専ら風神圧しの声が多い。
相変わらず嫌そうな顔をしているが、まんざらでもなくなってきているのではないかとナータックは読んでいた。
「言っただろう、妃はめとらないと。」
しかし返ってくる言葉は冷たい。
いい加減にしつこいと言葉を変えて怒られているようだ。
ナータックはカルサの様子を眺めていた。
この人はいずれこの国からいなくなる。
いつかカルサの別の側近である千羅から聞いた話が頭を過った。
この絶対的な国の柱を失ったらどうなってしまうのだろう。
「サルスパペルト殿下に期待、ですかね。」
なんとなく空気を変えたくて口にしてみた。
「そうしてくれ。」
どうやら意外な言葉だったようでカルサが楽しそうに笑った。
内心ざまあみろとでも思っているのだろうな、カルサが笑顔で仕事をするのは珍しいことだ。