御劔 光の風2
「お前が倒れたら…この国は終わりなんだぞ。」
そんなことは誰よりもカルサ自身が分かっている。
「無茶はしない。」
そう言って立ち上がったカルサはまだ背を向けたままだった。
何を言われても気持ちは変わらない、そんなカルサに折れたのかラファルの小さく吠えた声は任せろと聞こえた。
それは救いだ。
満足そうに微笑むとカルサはやっと千羅と瑛琳に向き合った。
「時間だ、行ってくる。」
そう告げるとカルサはそのまま二人の間を通り抜けナータックの待つ部屋の外へ去って行った。
その表情は国王としての厳しい顔だ。
「千羅は皇子の近くを。私は外に行ってくる。」
切なさを帯びた顔をする千羅に瑛琳が呼びかけた。
カルサの背中を見つめていた千羅は目を大きくして瑛琳の方に視線を向ける。
「そっちは任せる。何かあったらすぐに呼んで。」
「…ああ。分かった。」
気になるなら付いていればいい、そう言われた気がして千羅は気を引き締めた。
こんなところで立ち止まっている場合じゃない、こうしている間にも何かが動いているのだ。
いつの間にか消えていた瑛琳に背中を押され、千羅はカルサの補助をする動きを取り始めた。
そんなことは誰よりもカルサ自身が分かっている。
「無茶はしない。」
そう言って立ち上がったカルサはまだ背を向けたままだった。
何を言われても気持ちは変わらない、そんなカルサに折れたのかラファルの小さく吠えた声は任せろと聞こえた。
それは救いだ。
満足そうに微笑むとカルサはやっと千羅と瑛琳に向き合った。
「時間だ、行ってくる。」
そう告げるとカルサはそのまま二人の間を通り抜けナータックの待つ部屋の外へ去って行った。
その表情は国王としての厳しい顔だ。
「千羅は皇子の近くを。私は外に行ってくる。」
切なさを帯びた顔をする千羅に瑛琳が呼びかけた。
カルサの背中を見つめていた千羅は目を大きくして瑛琳の方に視線を向ける。
「そっちは任せる。何かあったらすぐに呼んで。」
「…ああ。分かった。」
気になるなら付いていればいい、そう言われた気がして千羅は気を引き締めた。
こんなところで立ち止まっている場合じゃない、こうしている間にも何かが動いているのだ。
いつの間にか消えていた瑛琳に背中を押され、千羅はカルサの補助をする動きを取り始めた。