御劔 光の風2
「他にもありますか?タルッシュ殿。」
「は、はい。」
言葉を交わすことのない遠い存在のナータックに声をかけられ、タルッシュは緊張して身体が固まりそうになった。
貴未や聖と親しげに話すカルサは何度か見たことはあるが、ナータックが口を開いているのをそんなに見たことがない。
しかしこんな場面で怖気づく訳にもいかないのでタルッシュは覚えている限り地図の上を指していった。
その印が付けられるごとに緊張が高まっていく、タルッシュによって示された箇所は予想以上に多かった。
「多いな。」
厳しい現実を目の前にして言葉を発せられたのはカルサただ一人だった。
他の者は皆、地図を見たまま息を飲むだけ。
ある程度の人払いをした後でよかったと、サルスは心底安心した。
いま下手に情報を与えると不安から被害が増えるかもしれない、それは考えるだけで恐ろしかった。
「避難民がまだまだ増えそうですな。」
低い声でハワードが呟いたことにカルサは頷いた。
確実に増えるであろうその数をどう対処していこうかと頭の中で思案する。
「は、はい。」
言葉を交わすことのない遠い存在のナータックに声をかけられ、タルッシュは緊張して身体が固まりそうになった。
貴未や聖と親しげに話すカルサは何度か見たことはあるが、ナータックが口を開いているのをそんなに見たことがない。
しかしこんな場面で怖気づく訳にもいかないのでタルッシュは覚えている限り地図の上を指していった。
その印が付けられるごとに緊張が高まっていく、タルッシュによって示された箇所は予想以上に多かった。
「多いな。」
厳しい現実を目の前にして言葉を発せられたのはカルサただ一人だった。
他の者は皆、地図を見たまま息を飲むだけ。
ある程度の人払いをした後でよかったと、サルスは心底安心した。
いま下手に情報を与えると不安から被害が増えるかもしれない、それは考えるだけで恐ろしかった。
「避難民がまだまだ増えそうですな。」
低い声でハワードが呟いたことにカルサは頷いた。
確実に増えるであろうその数をどう対処していこうかと頭の中で思案する。