御劔 光の風2
「でも城に避難しに来れるかどうかも怪しい場所が多いですよ?」
重く静まり返った玉座の間に独特の力の抜けた声が響いた。
各部署の上の者が集まるこの場所でそんな言葉遣いができる輩はそう多くない。
それが出来そうなのは直轄部隊所属の聖と。
「貴未。」
ナータックが名前を呼んだ人物くらいだ。
突然の貴未の登場に驚き、反射的にその場にいた全員が声のした方向を見つめた。
そこにはタルッシュ同様に全身ずぶ濡れで、それに加え泥や血やらと痛々しい姿の貴未が立っている。
その姿を見た途端に息を飲む音が聞こえた。
彼自身のものか、他人のものか、彼の周りで何かが起こった事だけがその姿から伺える。
「こんな姿ですが入っても?」
入口付近で肩をすくめる貴未に言葉遣いで注意を入れようとしていたハワードも声をつまらせた。
「貴未、その格好はどうした…?」
皆を代表するようにサルスが心配そうな声で尋ねる。
手を出して入って来るように促され貴未は一歩踏み出した。
重く静まり返った玉座の間に独特の力の抜けた声が響いた。
各部署の上の者が集まるこの場所でそんな言葉遣いができる輩はそう多くない。
それが出来そうなのは直轄部隊所属の聖と。
「貴未。」
ナータックが名前を呼んだ人物くらいだ。
突然の貴未の登場に驚き、反射的にその場にいた全員が声のした方向を見つめた。
そこにはタルッシュ同様に全身ずぶ濡れで、それに加え泥や血やらと痛々しい姿の貴未が立っている。
その姿を見た途端に息を飲む音が聞こえた。
彼自身のものか、他人のものか、彼の周りで何かが起こった事だけがその姿から伺える。
「こんな姿ですが入っても?」
入口付近で肩をすくめる貴未に言葉遣いで注意を入れようとしていたハワードも声をつまらせた。
「貴未、その格好はどうした…?」
皆を代表するようにサルスが心配そうな声で尋ねる。
手を出して入って来るように促され貴未は一歩踏み出した。