御劔 光の風2
「これ以上の無駄な時間は無益です。陛下のお言葉は一度私がお預かりましょう。」

それでこの話は終わりだ、ハワードはそう続けて皆は頷いた。

カルサは自分の考えを伝えることができて満足しているようだ、少なくともサルスにはそう見えた。

いきなり渡された重要な役回りに頭が痛くなるがそれも後回しだろう。

「それで、貴未の役回りについてだが。」

「なんだよサルス。そんな顔して文句は言わせねえからな?」

「それぐらいは許されるだろう!」

全てから取り残されていた秘書官がついに言葉を挟める状態になった。

もちろん、ご機嫌よろしい訳がない。

突然に国王代理と命じられ、個々に役割分担を変更され、状況が一気に変わってしまった。

しかも目の前で口を挟む隙もなく。

「いつもいつも、目の前で好き勝手に!」

サルスの怒りはもっともなだけに、その場に居た者は苦笑いするしかなかった。

しかし実際問題、今回の事じゃなくても保険をかけておいたほうがいいというのは感じていたのは確かだ。

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