御劔 光の風2
「もしもの話は後日、然るべき場所を設けて相談致しましょう。ですから今はもしもの事がないようにお願いします。」

サルスらしい納得の仕方に思わず笑みがこぼれ、カルサは頷いた。

「ああ。」

鳴り響く雷の音、止む事のない風と雨、分裂していく大地。

この先もすさまじい被害を出すことは間違いない、しかし自然現象ならどうにも仕方のないことだった。

そう、自然現象ならいい。

しかしそのきっかけが気になり頭から離れない。

まさかとは思うが。

そんな考えが当たらない事を祈るばかりだ。

「失礼します。」

玉座の間の入り口付近から女官長であるフレイクの声がする。

「ハワード様、避難民が到着しました。全員を収容するのが難しいので追加の部屋の解放を願います。」

「すぐに向かう。皆には民を最優先で動くようにしろと伝えてくれ。君の一存で判断しても構わない。」

命を受けたフレイクは一礼してその場を去っていった。

改めて印が増えた地図を見てハワードは目を細める。

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