御劔 光の風2
「いや、それより先に皆この部屋から離れろ。人がいれば戦いにくい。」
そう言ったカルサの目もまた統率者ではなく、一介の戦士としての目だった。
力無き者は自主的に玉座の間から離れてゆく。
「レプリカは彼らを守って。」
リュナの指示を受けてレプリカも部屋から去っていった。
彼女が名残惜しい気持ちを断ち切って命に従ったことはリュナにも分かっている。
リュナもまたその思いを断ち切るように髪をまとめて結い、近いうちに来る敵に備えて気持ちを引き締めた。
残ったのは数人の兵士とカルサ、そしてサルスとリュナだけ。
何が城全体の兵士が守りに入るだよと心の中で悪態を吐いてサルスは歯を食い縛った。
結局残ったのは数人の兵士だけじゃないか。
手薄な警備がさらに手薄になり、サルスは恐怖感と戦いながら何とか撃退する方法を二手、三手と頭の中で作りあげていく。
その場での会話はない。
皆が皆、入り口を見たまま息を潜めていた。
かたく胸元で握り締めたリュナの手には首から下げたジンロのお守りがある。
そう言ったカルサの目もまた統率者ではなく、一介の戦士としての目だった。
力無き者は自主的に玉座の間から離れてゆく。
「レプリカは彼らを守って。」
リュナの指示を受けてレプリカも部屋から去っていった。
彼女が名残惜しい気持ちを断ち切って命に従ったことはリュナにも分かっている。
リュナもまたその思いを断ち切るように髪をまとめて結い、近いうちに来る敵に備えて気持ちを引き締めた。
残ったのは数人の兵士とカルサ、そしてサルスとリュナだけ。
何が城全体の兵士が守りに入るだよと心の中で悪態を吐いてサルスは歯を食い縛った。
結局残ったのは数人の兵士だけじゃないか。
手薄な警備がさらに手薄になり、サルスは恐怖感と戦いながら何とか撃退する方法を二手、三手と頭の中で作りあげていく。
その場での会話はない。
皆が皆、入り口を見たまま息を潜めていた。
かたく胸元で握り締めたリュナの手には首から下げたジンロのお守りがある。