御劔 光の風2
頼むから無事であってほしいと祈るばかりだが。
「ナータックさん!?」
まだそこに侵入者がいるかもしれないのに貴未は大声で叫んでしまった。
彼の視線の先、瓦礫の中に埋もれるようにしてナータックが倒れていたからだ。
脇目も降らずに駆け寄りナータックに手を伸ばす、しかし貴未は変わり果てた彼の姿に絶句した。
彼の左腕は無くなり、左足も形があるかないかという無残な姿だったのだ。
どんな感情が発しているか分からない身体の震えに呼吸が荒くなる。
貴未は何も言えず、かすかに唇が動いている彼に近付いた。
ナータックは生きている。
こんな悲惨な状況の中で助かった命、手放しで喜びたいがそうも出来ない彼の状態にまだ言葉が見つからなかった。
少しでも触れると壊れてしまいそうで貴未には触れる事が出来ない。
しかし何かを訴えるその言葉を受け取らなければとナータックの口元に耳を寄せた。
震える吐息も弱々しい。
「陛下…違う。」
確かに聞き取れた言葉に貴未は目を細めた。
「ナータックさん!?」
まだそこに侵入者がいるかもしれないのに貴未は大声で叫んでしまった。
彼の視線の先、瓦礫の中に埋もれるようにしてナータックが倒れていたからだ。
脇目も降らずに駆け寄りナータックに手を伸ばす、しかし貴未は変わり果てた彼の姿に絶句した。
彼の左腕は無くなり、左足も形があるかないかという無残な姿だったのだ。
どんな感情が発しているか分からない身体の震えに呼吸が荒くなる。
貴未は何も言えず、かすかに唇が動いている彼に近付いた。
ナータックは生きている。
こんな悲惨な状況の中で助かった命、手放しで喜びたいがそうも出来ない彼の状態にまだ言葉が見つからなかった。
少しでも触れると壊れてしまいそうで貴未には触れる事が出来ない。
しかし何かを訴えるその言葉を受け取らなければとナータックの口元に耳を寄せた。
震える吐息も弱々しい。
「陛下…違う。」
確かに聞き取れた言葉に貴未は目を細めた。