御劔 光の風2
柱に壁に床に、遠慮なく亀裂が入ってゆく。
その勢いは強く、暴れるように室内を動き回る光はカルサの許へ向かう千羅の背中をかすめた。
「千羅っ!」
「大丈夫だ!サルスたちを頼む!」
「…分かった。」
彼の言葉を信じて瑛琳は前を向きサルスたちの方へと進んで行く。
幸い光の波は追い風となり予想以上に速く辿り着いた。
身を小さく縮めてただ耐えるだけのサルスたちを目の前に瑛琳の表情が厳しくなる。
そんな彼らに背を向けて再び玲蘭華たちを見つめた。
この物理的な距離以上に何らかの距離がある、それは名前の付けようがない憤りを感じさせるものだ。
そしてその距離は果てしない。
それこそ太古の時代から今に至るまでの距離のような気がする。
そんな雑念を振り払い、瑛琳は口元に力を入れた。
身体に傷が付くのも構わずに全神経を集中させて結界を作る。
さっきまでの強風が止んだ、突然の変化にサルスは恐る恐る顔を上げた。
その勢いは強く、暴れるように室内を動き回る光はカルサの許へ向かう千羅の背中をかすめた。
「千羅っ!」
「大丈夫だ!サルスたちを頼む!」
「…分かった。」
彼の言葉を信じて瑛琳は前を向きサルスたちの方へと進んで行く。
幸い光の波は追い風となり予想以上に速く辿り着いた。
身を小さく縮めてただ耐えるだけのサルスたちを目の前に瑛琳の表情が厳しくなる。
そんな彼らに背を向けて再び玲蘭華たちを見つめた。
この物理的な距離以上に何らかの距離がある、それは名前の付けようがない憤りを感じさせるものだ。
そしてその距離は果てしない。
それこそ太古の時代から今に至るまでの距離のような気がする。
そんな雑念を振り払い、瑛琳は口元に力を入れた。
身体に傷が付くのも構わずに全神経を集中させて結界を作る。
さっきまでの強風が止んだ、突然の変化にサルスは恐る恐る顔を上げた。