御劔 光の風2
周りの動揺を他所にサルスの心はもう一つに向かって進み始めている。
全員の視線も意識も自分に集中している、それが分かると背筋を伸ばし声を出した。
「これよりサルスパペルト・ヴィッジは亡き者とし、私がカルサ・トルナスとなる。」
カルサ・トルナスの生き写しとなったサルスは、出で立ち、話し方も全てカルサのように変わってしまった。
それはまるでカルサそのもの、疑い様がない程に似すぎている。
唯一本人ではないと思い出させてくれた茶色の瞳、一度長く閉じた瞼が次に開かれた時には金色の瞳に変わっていた。
もはやサルスパペルト・ヴィッジの面影はどこにも見当たらない。
探すことが罪のようにも感じられ少し恐怖を覚えるほどに深く心に入り込んだ。
サルスの、カルサのその言葉に逆らってはいけないと、むしろそれこそが真実なのだと受け入れてしまう。
サルスパペルト・ヴィッジはもうこの世にはいないのだと。
しかしそれを止めたのはナルだった。
「駄目よ、サルスを殺しては駄目。」
優しい声だが強い思いを持ってナルはサルスを諭そうとした。
全員の視線も意識も自分に集中している、それが分かると背筋を伸ばし声を出した。
「これよりサルスパペルト・ヴィッジは亡き者とし、私がカルサ・トルナスとなる。」
カルサ・トルナスの生き写しとなったサルスは、出で立ち、話し方も全てカルサのように変わってしまった。
それはまるでカルサそのもの、疑い様がない程に似すぎている。
唯一本人ではないと思い出させてくれた茶色の瞳、一度長く閉じた瞼が次に開かれた時には金色の瞳に変わっていた。
もはやサルスパペルト・ヴィッジの面影はどこにも見当たらない。
探すことが罪のようにも感じられ少し恐怖を覚えるほどに深く心に入り込んだ。
サルスの、カルサのその言葉に逆らってはいけないと、むしろそれこそが真実なのだと受け入れてしまう。
サルスパペルト・ヴィッジはもうこの世にはいないのだと。
しかしそれを止めたのはナルだった。
「駄目よ、サルスを殺しては駄目。」
優しい声だが強い思いを持ってナルはサルスを諭そうとした。