御劔 光の風2
あまりにも忙しすぎてそれぞれの状況もまだ分かっていない。
「貴未。ナータックさんの具合はどうなん?」
紅の問いに貴未の表情は一気に厳しいものへと変わった。
なかなか言葉を出そうとしない辺りからも状況がよくないことが分かる。
「難しいよ。」
貴未がカルサの許に戻れなかった理由、それは負傷した兵士を救護班に引き渡す作業をしていたからだった。
貴未の力でナータックを救護室に運んだ時も、すでに多くの兵が手当てを受けていたのだ。
中でもやはりナータックの傷は酷く、女官の応急処置じゃ間に合わないため医者を呼びに行ってやっと処置をしてもらえていた状況だった。
医者も処置に追われ捕まえるのが大変だったのだ。
ナータックの左腕は失われ、左足は何とか切断は免れたものの回復にはかなりの時間がかかる。
彼の軍人としてのこれからは完全に断たれてしまった。
もう側近ではいられないだろう。
初めてナータックの詳しい状況を知り、聖と紅は言葉もなかった。
共に軍人として過ごしてきた日々、いつこういう状況になるか分からないと思っていても煮え切らない思いがある。
「貴未。ナータックさんの具合はどうなん?」
紅の問いに貴未の表情は一気に厳しいものへと変わった。
なかなか言葉を出そうとしない辺りからも状況がよくないことが分かる。
「難しいよ。」
貴未がカルサの許に戻れなかった理由、それは負傷した兵士を救護班に引き渡す作業をしていたからだった。
貴未の力でナータックを救護室に運んだ時も、すでに多くの兵が手当てを受けていたのだ。
中でもやはりナータックの傷は酷く、女官の応急処置じゃ間に合わないため医者を呼びに行ってやっと処置をしてもらえていた状況だった。
医者も処置に追われ捕まえるのが大変だったのだ。
ナータックの左腕は失われ、左足は何とか切断は免れたものの回復にはかなりの時間がかかる。
彼の軍人としてのこれからは完全に断たれてしまった。
もう側近ではいられないだろう。
初めてナータックの詳しい状況を知り、聖と紅は言葉もなかった。
共に軍人として過ごしてきた日々、いつこういう状況になるか分からないと思っていても煮え切らない思いがある。