御劔 光の風2
「それで、何のお話なの?カルサ。」

手にしていたカップを机に置き、ナルは優しい声で問うた。

「ああ。」

カルサの表情も声も、少し張りつめているように感じる。

「二人がお揃いなんて…おめでたい話でも聞かせてもらえるのかしら?」

うふふと楽しそうに笑うナルにリュナは焦り、無言でひたすら首を横に振り続ける。

しかしカルサは無言でナルを睨み付け、静かにプレッシャーを与えた。

「ごめんなさい、冗談よ。」

どうぞ話して、そう言いながらナルは手を差し出し背もたれに身体を預けた。

少しの沈黙。

カルサは膝の上で指をからませて手を組み、前かがみになりながら口を開く。

「近い内、早ければ明日にでもリュナと総本山に行こうと思う。」

いつもより声のトーンが低い。

いつだったか総本山に行くという話をしたことはあったが、近い内に行くというのはリュナには初耳だった。

反射的にカルサの方を向き視線で疑問符を投げかけても、彼は前を向いたままリュナの方に動く気配はない。


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