御劔　光の風２
誰よりも強く、誰よりも優しい、誰よりも自分に厳しく、誰よりも責任感が強い。

何より、誰よりも神々しく輝いている人物であるのだという。

そんな誰よりも強い人物が何故封印され、眠っているのか日向が尋ねると千羅は静かに笑って答えた。

それは彼が誰よりも優しいからだと。

そんな絶対的な信頼を寄せられているのが光の神、今からまさに神を目覚めさせに行くのだ。

中庭の出口はアーケードの様なものだった。

長く続くアーケードを抜ければ、そこはどこまでも天を目指す、高い吹き抜けの大聖堂が姿を現した。

「うっわぁ～…。」

思わず見上げ口を大きく空けたまま立ち尽くしてしまう。

そんな日向に構う余裕もなく千羅と瑛琳はリュナを連れて祭壇の方へ足を進めていった。

慌てて二人を追い掛ける日向の耳に思いがけない声が聞こえてきた。

「千羅！？瑛琳！？」

まさか人がいるなんて思わなかった日向はとっさに構えてしまう。

しかし名前を呼ばれた二人は平然とその声を受け入れていた。

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