御劔 光の風２

大切にリュナを抱えてきた千羅と瑛琳の前に立つ人影は二つ。

信じられないものを見るような目で彼らは千羅たちを見ている。

「待たせたな。貴未、紅。」

「リュナ！？」

千羅の腕の中にいるリュナを見つけると紅は血相を変えて駆け付けた。

「何でや？リュナ…この格好あん時の？」

その姿は紛れもなくあの嵐の日のまま、何を信じていいか分からずに紅はただ首を横に振った。

震えを抑えてそっとリュナに触れてみる。

頬には涙の流れた跡、そして白いドレスには今も傷を忘れてはいない血の跡が確かに残っていた。

確証はない、確かにリュナとはさっきまで会話をしていた、それでも感覚で分かる。

彼女こそが本物のリュナ･ウィルサだ。

「紅！」

紅奈が振り替えるとそこには聖、ナル、そしてサルスと「リュナ」がいた。

「なんや？どないなってんねや？」

「俺にも分かんないけど、とりあえず皆連れてきた。」