御劔 光の風2
Ⅰ-Ⅵ 聖地へ
「皇子。ただいま戻りました。」
その日の夜遅く、照明を落としてカルサはベッドに腰掛け月を眺めていた。
寝室の扉の近く、声と同時に視界の端に人影が映る。
目で確認しなくても声だけで正体は分かっていた。
「英琳か。どうだった?」
少しだけ顔を向けてカルサは反応をみせる。
「見付けるには見付けたのですが…確証はありません。しかし可能性はかなり高いかと。」
「場所はどこだ?」
「結界士と同じ場所にて。」
「結界士…。」
カルサの驚きを置いて淡々と結果報告を済ませていく。
そしてもうひとつ、人影が現れた。
「皇子、本当に今行かれて大丈夫ですか?」
「そう思うか?千羅。」
いつになく覇気のない様子に千羅は言葉をつまらせる。
側近たちは目を合わせて主の異変を共有した、そして二人を代表して千羅が言葉を続ける。
「火の力を持つ者の居場所が気になります。まさか結界士達の故郷とは…。」
その日の夜遅く、照明を落としてカルサはベッドに腰掛け月を眺めていた。
寝室の扉の近く、声と同時に視界の端に人影が映る。
目で確認しなくても声だけで正体は分かっていた。
「英琳か。どうだった?」
少しだけ顔を向けてカルサは反応をみせる。
「見付けるには見付けたのですが…確証はありません。しかし可能性はかなり高いかと。」
「場所はどこだ?」
「結界士と同じ場所にて。」
「結界士…。」
カルサの驚きを置いて淡々と結果報告を済ませていく。
そしてもうひとつ、人影が現れた。
「皇子、本当に今行かれて大丈夫ですか?」
「そう思うか?千羅。」
いつになく覇気のない様子に千羅は言葉をつまらせる。
側近たちは目を合わせて主の異変を共有した、そして二人を代表して千羅が言葉を続ける。
「火の力を持つ者の居場所が気になります。まさか結界士達の故郷とは…。」