御劔 光の風２

「今日は解散にしよっか。」

疲れたしね、という言葉が続きそうなくらい軽い口調が彼らに投げられた。

貴未の提案に部下である彼らは戸惑いを隠せない。

「…まだ陽も高いようですが。」

「たまにはいいんじゃない？休息も必要でしょ。今、俺たちが倒れでもしたらそれこそ大変じゃん。」

勇気を振り絞って声を出した兵士に片手を振りながら大したことじゃないと貴未は笑った。

聖が指揮官だと間違いなくこのまま訓練に突入する筈だ。

それこそ血ヘドを吐くようなキツイ訓練が。

貴未以外が顔を見合わせてこれでいいのかと答えを求め合う。

やはり戸惑っているようだ。

すっかり聖のスパルタ訓練が当たり前になっている可哀想な部下たちに笑うしかなかった。

人材教育は飴とムチを上手に使えとは言うが、聖さん、貴方はムチを振るい過ぎじゃないですか？

貴未は心の中で聖に問いかけ、飴の部分に強い興味が持ってしまった。