天神学園高等部の奇怪な面々32
「お、お嬢ちゃん…!」

綱を握り締めて歯を食い縛りながら。

人外チームの鬼の生徒が言う。

「お、応援してくれるのは嬉しいがっ…危ないからあっち行ってな?」

「えー、なんでー?」

可愛らしく小首を傾げる吉野。

まさか気が散るなんて、とても言えない。

「なんかの拍子に…綱が切れたりしたら…お嬢ちゃんを巻き込んじまうだろっ…?」

「えー、大丈夫だよぉ」

ケラケラ笑う吉野。

ここは察してあげて欲しいのだが。

< 103 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop