私と彼が嘘をつく理由

というか、存在を
今日まで知らなかった。

仲がよかったのかどうかも
分からない。

忍のことを知っているようで
知らなかったことに落ち込む。

「ね、ちょっと…」

急に後ろから声をかけられて
振り向くと小池が立っていた。

「なんですか?」

そう言うと少しうろたえながら

「私、あなたが羨ましかったの」

と切なく微笑んだ。


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