私と彼が嘘をつく理由
「今までホントにごめんなさい。」
さっきの続きは言う気がないらしく
頭を深々と下げて謝り
教室を出て行った。
「許すの?」
みゆうは携帯をしまうと
そう聞いてきた。
「うん。もういいの。」
なんだか妙にスッキリした気分。
怒りも憎しみもなかった。
「さー、帰ろっか。あの二人帰っちゃってだいぶ静かだよ」
みゆうが下を見たのにつられて
下を見るとさっきまでのが
嘘のように静かで誰もいなかった。